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医療事故に関与した医師への行政処分の最近の動向◆Vol.2

オピニオン 2011年2月16日 (水)  勝又純俊(千葉西総合病院形成外科、日本大学医学部社会医学系法医学分野)

拙著(犯罪学雑誌76(1)、12-24、2010)でも指摘したが、厚生労働省は行政処分の医業停止期間の変遷を、まとめた資料としては公表していない。行政処分の期間等が比較ができないように図りつつ、相変わらず医業停止期間の基準が曖昧なまま、恣意的な処分を繰り返していると言えよう。 刑事処分確定から行政処分決定までの期間については、詳細な検討はしていないが、種々の資料を見る限り、最近では半年~1年程度のタイムラグで行政処分が行われているようである。すなわち、個々の被処分者を見ると、(医療事故に限らず)処分の発表された医道審議会医道分科会の半年~1年前に刑事処分が確定している。 2004年2月以降は、法務省が(医療事故に限らず)公判請求した事件または略式命令を請求した事件の情報を厚労省に提供しているので(その法的根拠は不明であるが)、刑事処分を受けた医師に対する行政処分に漏れはないと考えられる。すわわち、2004~2008年の5年間では計62人の医師・歯科医師が医療事故を理由として行政処分を受けているが、これは、2003~2007年の間には、年12~13人の医師・歯科医師に対して医療事故を理由...