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「医師増で医療崩壊したら、誰が責任を取るのか」

レポート 2011年1月21日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医学部長病院長会議は1月20日、記者会見を開き、医学部新設に対し、改めて慎重な対応を求めた。 会長の黒岩義之・横浜市立大学医学部長は、その理由を「医学部新設には二つの問題がある。一つは、教育の質を確保できるか、もう一つは、医療崩壊を阻止する効果があるのかだ。大学のミッションは、質の高い医療の提供を目指す志の高い医師を養成すること。そのためには、教育の内容だけでなく学生の質も確保し、教育の質を担保することが必要。また医療崩壊を阻止するには、単に医師の数を増やせばいいという問題ではない。地域や診療科による医師の偏在の解消など、総合的な対策が必要」と説明した。 黒岩氏が医師養成数の増加により、学生の質低下を懸念しているのは、次のようなデータに基づく。1960年の場合、医師になったのは18歳人口の704人に1人の割合だったが、2010年は138人に1人。2011年度の定員8923人のまま推移すれば、2027年には120人に1人、2040年には105人に1人、2050年には86人に1人が医師になると推計。一方、民主党は2009年の衆院選のマニフェストで医師養成数を1.5倍にすると掲げているが...