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救急医は「急性期病態の総合医」 - 日本救急医学会代表理事・杉本壽氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2011年2月9日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「『救急医には体力が要る』と言われるが、そうではない。しかし、人の10倍の努力をしなければ、一人前の救急医にはなれない」と語る杉本壽氏。 ――次に救急の医療提供体制についてお聞きします。学会では、「救急医療基本法(仮称)」の制定を求めています。 日本救急医学会は、重症救急に重点を置き、救命救急センター、3次救急を主体としてやってきました。救急医療全体からすれば、どうしてもそこを押さえなければいけない。しかし、重症救急は救急患者全体の1%程度。ほとんどは1次、2次救急ですが、そこにはあまり関心を示してこなかった方が多いと思います。というより、そこまで手を伸ばせず、3次救急を確立するのが精一杯だった、というのが正しい言い方でしょう。3次救急については、一つの形ができたと思います。 では今度は2次救急をどうするか。今までは、各科の先生方にお願いしてやってきました。日本救急医学会の会員は1万人を超えていても、救急科専門医は約3000人しかいないので、専門医だけで全部を診ることはできない。すべての医師が応分の関与をしないと救急医療は難しい。とはいえ、各科の先生方にしてみれば、例えば消化器外科をや...