医科と調剤のレセプト突合点検で問題発生の懸念
オピニオン
2011年3月8日 (火)
安達秀樹(京都府医師会副会長、中医協委員)
社会保険診療報酬支払基金本部は、診療報酬請求の原則電子化の実施に伴い、調剤レセプトの審査対象を、従来の1500点/月以上のうち保険者が指示したものから、すべての調剤レセプトに拡大し、医科レセプトとの突合点検を行うことに改め、主に薬剤の適応症の確認を第1次審査から行うという方針の変更を決定した。2011年4月から実施される。当初は、この突合によって薬剤の適応症が医科レセプトにない場合は、すべて医療機関から査定するとされていた。 この考え方は、支払基金本部の持っている、「適応外の薬剤処方の99%以上は医療機関に責がある」というデータに基づくものであったが、このデータは2002年度のものであり、その後の特に後発品使用促進政策が進められている現状でのデータは存在していないことが明らかになっている。すべての調剤レセプトに対してその適応症確認を行うこと自体は、診療報酬の適正な請求の促進という意味で医療者として異存はないが、その後の査定処理などについてこのような単純な方針では多々問題が発生すると考えられる。以下、それについて考察する。 「医科レセプトの病名と、調剤レセプトに記載された薬剤の適応症が合...
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