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呼吸不全向け酸素ボンベ備蓄分、帝人が東北に緊急配備へ

スペシャル企画 2011年3月14日 (月)  星良孝(m3.com編集部)

酸素濃縮装置の大手、帝人は東北地方太平洋沖地震の発生を受けて、携帯型の酸素ボンベ(携帯型軽量酸素ボンベ)の備蓄分を東北地方に向けて緊急配備する。帝人は東北への振り分け計画を策定中。患者の安否情報の把握も進めている。帝人によると、全国で在宅で酸素療法を実施している患者数がおよそ15万人。人口比で分布しており、東北の人口比が8%程度で1万人近くの患者がいると推定される。 阪神大震災の教訓生かす 通常、呼吸不全の患者には、主に電動の酸素濃縮装置で酸素が投与されている。震災の影響で、電気が使用不可能となり、酸素ボンベによる酸素投与が必要になっている。 震災時は、呼吸不全の患者への対応は大きな問題。酸素投与を受けているケースは慢性的な疾患が多いが、酸素投与を滞ると、身体状態に悪影響が及び、早期の対応を要する可能性も高い。帝人は阪神大震災の際に、酸素ボンベの供給で医師患者との連絡を密にして緊急事態に対応、関西で勤務する呼吸器領域の医師の間ではよく知られている。当時、酸素ボンベの供給に困難が生じたことを受けて、帝人社内で備蓄体制を整えて、非常事態発生時の対応マニュアル、配達の仕組み、被災地のマップ、...