「人工透析、カリウム上昇への配慮を」
スペシャル企画
2011年3月16日 (水)
星良孝(m3.com編集部)
「透析患者を診たら、注意すべき点は2つに尽きる」。透析医に取材すると、震災の際に注意すべき点をこう説明する。 日本透析医学会と日本透析医会は、透析医療に関する問い合わせの窓口を一本化(災害情報ネットワーク)して、情報のやり取りに奔走している。会員医師には問い合わせが頻繁に行きかっており、医師、患者の情報ニーズが高いことをうかがわせる。 透析医は注意すべき点の1つとして、「一つ目はカリウムの上昇を避けること」を挙げる。透析を行わない場合、高カリウム血症が懸念される。血中のカリウムが上昇し、カリウムが7.0mEq/Lを超えると心停止の危険が出る。 初期の症状としては、口の周りがしびれる、手足に力が入らないなど。ふぐ中毒に似た症状が出てきたらカリウムの値が上がってきて危険な状態であると判断できる。透析を可能な限り早期に行うことが重要だが、透析が出来ない場合、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレート)やポリスチレンスルホン酸カルシウム(カリメート)をできる限り多く服用させる。10包程度の服用が好ましい。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸カルシウムはそれぞれ便秘の原...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。