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チラーヂン不足、代謝内分泌専門医の見方は

スペシャル企画 2011年3月18日 (金)  星良孝(m3.com編集)

「甲状腺ホルモン薬のレボチロキシンナトリウム(商品名:チラーヂン)の供給が困難になっている。甲状腺機能低下症の患者は全国に60万人近くおり、影響は大きい。今後、徐々に状況は改善すると思われるが、急ぎどう対応すべきかを考える必要がある」 こう説明するのは、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院代謝・内分泌内科部長の方波見卓行氏だ。 T4とT3の不足へ対応必要 甲状腺機能低下症の患者は全国に約60万人がいるという。治療薬として、甲状腺ホルモン薬のレボチロキシンナトリウムがあり、特にあすか製薬が大部分を供給している。頻用されているのが「チラーヂンS 錠」で、そのほか「チラーヂンS 散」、「チラーヂン末」などが使われている。 現状では、今回の地震であすか製薬のいわき工場が被災して、供給困難となっている。甲状腺ホルモンには分子に含むヨードの数により、ヨード4つのサイロキシン(T4)、ヨード3つのトリヨードサイロニン(T3)が存在する。「あまり知られていないことだが、チラーヂンSはT4から成るのに対して、チラーヂン末はT4とT3から成っている。そもそも代替薬に乏しい薬剤だが、T4だけでなく、T3も含有...