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「診療中に涙がこぼれた」、甚大損害の被災地において

スペシャル企画 2011年3月23日 (水)  小出泰道(静岡てんかん・神経医療センターてんかん科)、中里信和(東北大学てんかん科教授)

国立病院機構の支援チームとして被災地に入った静岡の小出泰道医師。甚大な被害を受けた被災地からと連絡を取り合う東北大学の中里信和教授。てんかんの医療を通して、避難所で疾患を持つ患者と治療の現状を語る。 ローラー作戦で患者拾い上げ、手分けして患者を診療 小出泰道(静岡てんかん・神経医療センターてんかん科) 現地での活動のご報告させていただきます。行程としては、西新潟中央病院のチームと、花巻から釜石に入り、そこから沿岸部の大槌町→山田町と移動して、山田南小学校に入りました。ここでは我々国立病院機構のほかに昭和大学や日赤、自衛隊などの3グループが診療を行っていました。 岩手県大槌町の周辺の海岸線では、家屋が大きく損壊されていた(写真提供:小出泰道氏) ここには避難されている方が3月17日当時、隣の幼稚園や武道場を含めると1000人以上いらっしゃいました。山田町内で活動している他の団体(獨協大学DMATなど)も交えてこの小学校で夜1回ミーティングを行い、山田町内の避難所のどこをカバーするかを話し合い、翌日は各自の分担地域に行って活動するというスタイルでした。 我々は今回、災害援助の場ではあまり注...