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弾性ストッキングで血栓消失、南三陸町の被災者

スペシャル企画 2011年3月25日 (金)  星良孝(m3.com編集部)

東日本大地震の現場で既に深部静脈血栓症が3割程度に発生していると報告したのが、新潟大学器官制御医学助教の榛沢和彦氏。その榛沢氏の報告によって、弾性ストッキングの着用によって、いったん確認された深部静脈血栓が消失したことが分かった。 榛沢氏は3月19日から24日にかけて、岩手県から宮城県にかけて、南三陸町、登米市、石巻市、東松島市で検診を実施、南三陸町では19日と24日の2回にわたって検査を行った。対象は、下肢腫脹、疼痛、下肢打撲などの外傷があるほか、車中泊経験者、静脈瘤がある人ら。 この結果、19日の南三陸町では19人中6人にヒラメ静脈の血栓が認められた。さらに、登米市では11人中1人、石巻市では19人中6人、東松島市では9人中4人にそれぞれ血栓が認められた。合わせると、55人のうち、17人に認められたことになる。割合は30.9%と高い。 榛沢氏は2007年の新潟県中越沖地震の発生時にも深部静脈血栓の発見率を調べており、当時の血栓発生率とも近い(榛沢氏のデータを含む資料はこちらから。日本循環器学会ホームページより)。 最も注意すべきなのは、地震発生時から1週間から2週間の間だった。地震...