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災害後のパニック障害、教育が原則

スペシャル企画 2011年3月28日 (月)  伊藤淳(m3.com編集部)

3月24日、中野区医師会館で被災者への心理ケアについて緊急講演会が開催された。中野区では、廃校になった東中野小学校の校舎を利用した被災者の受け入れを始めており、今後、最大5000人程度まで拡大することを検討している(『まず足元を固めた後、救援活動へ」、中野区医師会』を参照)。 演者の曽根クリニック院長・帝京大学客員准教授の曽根維石氏が特に焦点を当てて語ったのが、急性ストレス障害、PTSD、パニック障害への実際の対応と被災者に対する援助の基礎知識について。曽根氏は「本人の自主性を尊重し、考え方を押し付けないことが援助者の資質として求められる」と解説した。 急性ストレス障害などへの対応 急性ストレス障害への対応として曽根氏がまず挙げたのが、「安心感を与える環境づくり」。これは安全な場所を提供し、日常生活を保障することを意味するが「避難されている方にとってこれが難しく、治療を困難にしている」(曽根氏)。薬物療法は対症療法として、不眠、不安には睡眠薬や抗不安薬を投与する。曽根氏は「中途半端ではなく、使うのであればきちんと使った方がいい」と指摘。精神療法は、訴えに耳を傾け相手の気持ちに共感する支...