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「不安払拭にはエビデンスに基づく情報が必要」、国立がん研究センター

スペシャル企画 2011年3月29日 (火)  伊藤淳(m3.com編集部)

「今、国民、私も含めて不安を感じるのは、放射性物質に関する定点の情報が発表されていないため。高い値が観測された地点だけがセンセーショナルに報道されている。正確で経時的な定点情報が出されていれば、国民はそれほど慌てない。国立がん研究センターとして、国民の視点に立ってエビデンスに基づいた情報を発信したい」 「エビデンスに基づいた情報提供を行いたい」と語る嘉山孝正氏。 3月28日、国立がん研究センター理事長の嘉山孝正氏は緊急記者会見を開いた目的をそう語った。嘉山氏が「エビデンス」と語るのは、『国立がん研究センター中央病院(東京都中央区築地)における放射線量測定結果』だ。このデータは、3月13日から1日に2、3回、東京都中央区の国立がん研究センター中央病院屋上の放射線量を測定したもの。また、3月21日からは水道水、雨水についての放射線量も測定している。 このデータについて解説した国立がん研究センター中央病院放射線診断科長の荒井保明氏が強調したのが2点。一つはGMサーベイメータによる計測で、3月15日の夕方に屋上南向きで350cpmを検出したのを最高として、以後、それを上回る値が出ていないこと。...