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身元判明率は7割だが、今後は難航も- 日本法医学会広報渉外担当理事に聞く

スペシャル企画 2011年3月31日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

3月11日の東日本大震災では、死亡者数が既に1万人を超えた(2011年3月29日現在)。未曾有の大災害では、復興支援の動きが活発化する一方、犠牲者の身元確認作業も続く。警察の行う死体見分の立ち会い(検案)のためにも、多数の医師が被災地に赴いている。日本法医学会の広報渉外担当理事で、千葉大学法医学教授の岩瀬博太郎氏に、検案の現状と見えてきた課題についてお聞きした(2011年3月29日にインタビュー)。 岩瀬博太郎氏自身も震災翌日の3月12日から岩手県陸前高田市で、死体見分に立ち会ったという。 ――震災以降、先生ご自身および日本法医学会として、どう動かれたのでしょうか。 3月11日の午後6時半ごろには、警察庁から日本法医学会に、「支援要請があるかもしれない」との第一報が日本法医学会の中園一郎理事長などに入っていました。日本法医学会では、1995年の阪神・淡路大震災後、1997年に「大規模災害・事故時の支援体制に関する提言」をまとめています(同学会のホームページを参照)。これは、大規模災害などに備え、連絡体制や要請があった場合の人員派遣体制などをマニュアル化したもの。これに沿って動いたのは、...