「高齢者災害時医療ガイドライン」を現地で実践
スペシャル企画
2011年4月12日 (火)
星良孝(m3.com編集部)
東日本大震災の発生から1カ月。地震や津波の被害とは異なる形で避難を強いられている人々がいる。福島第一原発の事故で圏外退避せざるを得なくなっている福島沿岸部の被災者だ。 3月26日、東京大学老年病科講師の飯島勝矢氏が日本老年医学会で福島県対策本部での相談の後、相馬市に入り避難所での診療に当たった。「避難者のうち原発事故の放射性物質・放射能から逃れてきた人々が大半を占め、避難所で診察を受けた人のうち9割以上が南相馬市の住所の方であった」と飯島氏は話す。 東京大学の飯島氏(左)は、東京医科歯科大学教授の下門教授と共に被災地に赴いた(写真提供:飯島勝矢氏氏) 災害時指針の試作版を公開 日本老年医学会は、3月18日に「東北関東大震災対策本部」を東京大学老年病科教授の大内尉義教授を本部長として発足、副本部長で東京医科歯科大学老年病内科教授の下門顕太郎氏と共に、飯島氏は福島県に先発隊として支援に向かった。 飯島氏は2010年度の厚生労働科学研究の研究分担者として、「災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に関するガイドライン」の循環器にかかわる分野を担当。研究班では、今年2月には、「高齢者災害時医療...
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