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「住民の個人線量測定で個別リスク診断を」、国立がん研究センター

スペシャル企画 2011年4月15日 (金)  伊藤淳(m3.com編集部)

4月14日、国立がん研究センターは福島原発事故による放射性物質の影響に関して緊急記者会見を開き、二つの提案を行った。一つは、前回3月28日の緊急記者会見で提案した自己末梢血幹細胞の保存について、250ミリシーベルト以上の被ばくリスクがある人を対象にすべきと具体的基準を明示したこと(『「不安払拭にはエビデンスに基づく情報が必要」、国立がん研究センター』参照)。もう一つは、「被ばくのテーラーメイドリスク診断」だ。 このテーラーメイドリスク診断は、医療従事者が用いている個人線量計であるガラスバッジ(フィルムバッジ)を配布し、福島原発付近の住民の被ばく線量を測定しようというもの。ガラスバッジは現在、国内4メーカーで製造されており、約44万人分が流通している。今回、約2万人分のガラスバッジの入手の見通しが立ち、これを用いて個々の住民のリスクを診断しようという計画だ。 ガラスバッジを紹介し、個人の被ばく線量測定の重要性を強調する嘉山孝正氏。 同センター理事長の嘉山孝正氏は「最近、経済産業省原子力安全・保安院が福島原発事故の深刻度を国際評価尺度による暫定評価で、最悪のレベル7に引き上げた。福島原発事...