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最高裁、医師の名誉毀損裁判、請求棄却

レポート 2011年4月28日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

最高裁判所は4月28日、“東京女子医大事件”の元同大医師の佐藤一樹氏が、上毛新聞社、静岡新聞社、秋田魁新報社の記事が名誉毀損に当たるとして損害賠償を求めていた裁判で、佐藤氏の上告を棄却した。一審判決を覆し、佐藤氏の請求を棄却した東京高裁判決が確定することになる。 2001年3月に心臓手術後に患者が死亡、人工心肺装置の操作を担当していた佐藤氏が業務上過失致死罪に問われた東京女子医大事件では、2009年3月に東京高裁で佐藤氏の無罪が確定している(『院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件』を参照)。佐藤氏は、共同通信社とその配信記事を掲載した地方紙三紙を提訴していた。 佐藤氏が問題視したのは、佐藤氏が逮捕された2002年7月の記事。7月2日付けで共同通信社は、「長時間吸引で血流逆流、基本動作ミスが事故を招く」という記事を配信、地方紙3社は7月5日付けでこの記事を掲載した。 佐藤氏は共同通信社に1100万円、地方紙3紙に各330万円の損害賠償を求めたが、2007年9月の東京地裁判決では、地方紙3紙に110万円もしくは165万円の損害賠償を認め、共同通信社は名誉毀損に当たらないとされた。し...