対GDP比での医療費議論はナンセンス ‐ 中医協新委員・印南一路氏に聞く◆Vol.2
インタビュー
2011年5月17日 (火)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
印南一路氏は、米国留学時代に、「意思決定論」を研究。以来、医療政策と二本立てで研究に取り組んでいる。 ――慶應義塾大学に行かれて、どれくらい経つのでしょうか。 1994年から務めていますから、もう17年目です。シカゴ大で意思決定論に取り組んだこともあり、以来、医療政策と研究テーマは二本立てになっています。ただ、人のエネルギーは有限。いろいろ研究はやりましたが、どこかで絞らなくてはいけないと思い、最近は医療に集中しています。 最初は医療費、次の医療費そのものの数量的な分析を手がけました。医療費だけでなく、医療提供体制も考えないといけないと思い、その後に着手したのが社会的入院の研究(2009年の著書『「社会的入院」の研究』、東洋経済新報社)。今、書いているのは、医療政策の理念に関する本。これで一通り、医療全体を見たことになると思っています。それ以外にも、細かい研究はたくさんやっています。 ――今の研究の柱についてもう少し詳しくお聞きしたいのですが、医療費に関してはどんな研究をされていたのでしょうか。 医療費の決定論です。ここ(編集部注:印南氏は医療経済研究機構の研究部長でもある)の委託研究...
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