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現行の医療制度の維持は無理 ‐ 中医協新委員・印南一路氏に聞く◆Vol.4

インタビュー 2011年6月1日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「今の救急医療は、果たして平等、公平か。命にかかわる医療、守るべき医療は守るが原則」と印南一路氏は語る。 ――今お書きになっているのは、医療政策の理念に関する本だと。 それは、結局は、「何が問題か」を定義しなければいけないという結論に行き着くからです。問題を定義するには、基準が必要。その基準を突き詰めていけば、医療の本当の目的は何かという問題になる。そこに注目して、この問題をかなり追求して新しい制度、今までとは違う医療保険制度を、この6月、7月頃にまとめる本では提案しています。 ――医療政策の理念は、価値感もかかわってくる問題かと思います。 そうです。価値感の問題なので、非常に難しい。皆避けて通ってしまう。それで、「国民福祉の向上」とか、「国民皆保険の維持」などを理念とするわけです。でも僕はそれはおかしいのでは、と思っています。社会的入院の時と同じように、皆が思っていることを僕は疑う(笑)。 ――価値感の問題になると、コンセンサスを得るのが非常に難しい。 難しいですよ、でもそれが政治の役割だと思っています。それをやらずに、目先の制度の話をやるからなかなか問題が解決しない。 ――難しいけ...