IT活用で健康管理データベース整備を - 中医協会長・森田朗氏に聞く◆Vol.3
インタビュー
2011年5月23日 (月)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――遠藤前会長は、退任挨拶の中で、「医療費の枠の拡大が難しくなり、医療の費用対効果も考えていかないといけない」と言及されていました(『中医協の新会長に森田東大教授が就任』を参照)。 英国のNICE(The National Institute for Health and Clinical Excellence、国立医療技術評価機構)については、いろいろな評価があるようですが、私が知る限りでは、先進諸国では、「次々と保険に収載していく」という仕組みではもたなくなっているのが現状のようです。本当に必要な医療については保険できちんと手当てするが、それ以外については保険収載をしないという可能性も考えていかざるを得ないかもしれません。もちろん、それを行うには、客観的な評価が必要です。 「福島第一原発事故を一つのきっかけに、ITを活用して国民の健康管理を進め、それに対応する形で医療制度も考えていく必要があると考えている」(森田朗氏)。 ――今の日本には、NICEのような評価を行うためのデータはあるのでしょうか。 十分なものはないでしょう。世界的に見ると、IT(情報技術)を使い、ヘルスレコードを作...
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