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医学部新設めぐり、ヒアリング3人の賛否が対立◆Vol.5

レポート 2011年5月13日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」(座長:安西祐一郎・慶應義塾学事顧問)の第5回会議が5月13日開催され、異なる3人の立場の関係者へのヒアリングが行われたが、医学部の新設をめぐり、大きく意見が分かれた。 医学部新設に反対姿勢を示したのは、長崎県病院企業団企業長の矢野右人氏と、岩手医科大学学長の小川彰氏。一方で、新設の必要性を指摘したのが、東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏だ。 矢野氏は、長崎県全体で見れば、全国平均よりも人口10万人当たりの医師数は多いものの、地域偏在が大きく、離島では医師不足にあるとし、「単に医師を増員しても、現在の医療提供体制では、医師偏在は解消しない。病院の集約化、小病院の診療所化などにより、医師にとって働きやすい施設、より良い医療提供体制を確立することが最重要課題」と指摘した。 小川氏は、現状でも2025年には人口当たりの医師数がOECD平均に達する上、一度増やした医学部やその定員の削減は容易ではないこと、さらに医学部定員増に伴う教員増には30、40代の病院勤務医の充当が必要で、かえって医療崩壊がを招く点などを挙げ、「医学部定員増、...