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法医解剖の理想的な形の第一歩 - 千葉大学法医学教授・岩瀬博太郎氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2011年5月19日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

警察庁の「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」がこの4月、最終取りまとめを公表した(警察庁のホームページに掲載、PDF:421.7KB、研究会発足の経緯などは、『「暴走する警察」から「大人の警察」へ、医療者が働きかけを』を参照)。現行の司法解剖と行政解剖の中間的な位置付けの「法医解剖制度(仮称)」を新設、「法医学研究所(仮称)」を国の機関として各都道府県に設置し、警察が取り扱う死体の解剖率の向上を目指す内容だ。さらに、初動段階で、確実に解剖につなげるため、検視官と検案に当たる医師の充実も図る。 本研究会の委員の一人、千葉大学法医学教授・岩瀬博太郎氏に、報告書の内容やその狙いについてお聞きした(2011年5月12日にインタビュー)。 「1998年以降、警察が犯罪見逃しなどをした件数は43件、という話もようやく出てきた。警察が危機感を持っている表れだろう」と語る、岩瀬博太郎氏。 ――最終取りまとめでは、初動段階での検視・検案の充実を打ち出しています。 本来、医学的に死因をはっきりさせなければ、毒殺などによる犯罪死は見逃してしまいます。しかし、実際には、十分な医学的...