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診療関連死は除外して議論を進めた - 千葉大学法医学教授・岩瀬博太郎氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2011年5月27日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

岩瀬博太郎氏は、「法医学研究所は、警察庁と厚生労働省の共管で設置し、情報を公衆衛生目的などにも使えるようにしているのが特徴」と説明。 ――解剖の実施体制を充実させるため、報告書では、「法医解剖制度(仮称)」と、「法医学研究所(仮称)」は創設を打ち出しています。 「法医解剖制度(仮称)」は今の司法解剖と行政解剖の概念の間を埋める制度です。警察署長が解剖機関の長と協議して解剖の実施を判断する体制が考えられています。遺族の承諾は不要で、費用は国費。さらに、法医解剖を実施する「法医学研究所(仮称)」を国の機関として、都道府県ごとに設置するとしています。この研究所は、当面は大学の法医学教室や監察医機関が担うことを想定しています。 日本はこれまで独特の基準、あってはならない基準、つまり警察が犯罪を疑った時だけ法医解剖をしていた。これに対し、日本法医学会は以前から、国民の安全安心にために「理想的な形にもっていかなければならない」と指摘していましたが、少しはそれに近づいてきました。 ――「理想的な形」とは。 明らかな病死と考えられる場合以外は、犯罪の可能性が否定できませんから、そうした事例は、極力すべ...