肺炎球菌ワクチンを被災者に無料接種
スペシャル企画
2011年5月23日 (月)
山田留奈(m3.com編集部)
東日本大震災からちょうど3カ月目に突入した5月12日から、新たな支援の試みが始まっている。避難所の高齢者5500人に無料で肺炎球菌ワクチンの接種を行うというものだ。これは、順天堂大学医学部総合診療科准教授の内藤俊夫氏を中心に、日本プライマリ・ケア連合学会の東日本大震災支援プロジェクト(“Primary Care for All” Team:PCAT)の一環として実施されている。 肺炎球菌ワクチン接種風景。5500名への無料接種が行われた。 PCAT本部で統括している、石橋クリニック(東京都)の石橋幸滋氏は、この取り組みの背景についてこう語る。「今回、肺炎球菌ワクチンを選んだのは、インフルエンザの時期ではないこと、高齢者の死亡に最も影響するのは肺炎であり、その中でも予防可能なのは肺炎球菌によるものであることが一番大きな理由」。 さらに、企業による無償提供があったことが、大きく影響している。内藤氏によれば、MSD株式会社に、避難所の現状、接種の必要性、被災者への暫定的なワクチン接種に関するCDCのガイドラインなどを説明したところ、ニューモバックス(細菌ワクチン類生物学的製剤基準肺炎球菌ワク...
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