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福島滞在者の内部被曝、ヨウ素9割、セシウム2割弱

スペシャル企画 2011年6月6日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

6月5日、広島市で開催された第52回原子爆弾後障害研究会で、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原爆後障害医療研究施設、原爆・ヒバクシャ医療部門アイソトープ診断治療学研究分野の森田直子氏は、福島第一原発事故後、被災地の支援などで3月11日から4月10日までの間に福島県に滞在した人の体内放射能を測定した結果、放射性ヨウ素131が検出されたのは90.2%、放射性セシウム137の検出率は17.3%だったことを報告した。 特に、放射性セシウム137は、3月11日~3月18日の震災初期の滞在者で42.2%と高頻度で検出、平均14.6Bq/kg(中央値8.4Bq/kg)だった。 長崎大学の原爆後障害医療研究施設の森田直子氏。 ただし、検出された体内放射能は、放射性ヨウ素131、放射性セシウム137のいずれも、発災直後の滞在者では高かったものの、時間を経るごとに低下した。共同研究者の長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医療科学専攻国際保健医療福祉分野教授の高村昇氏によると、成人で通常検出される放射性カリウム40は50-70Bq/kgであり、その約4分の1の体内放射能であることなどから、「健康には影響は...