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長崎大・山下教授ら、「広島、長崎の英知で福島対応を」

スペシャル企画 2011年6月7日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

第52回原子爆弾後障害研究会が6月5日、広島市で開催され、広島、長崎の両地域で原爆による後障害の研究に取り組んできた第一人者らが、これまでの知識やノウハウを結集して、福島第一原発事故後の地域住民および原発作業従事者の健康フォローアップをはじめ、様々な支援に取り組む必要性を強調した。 シンポジウム「後障害研究成果の世界への発信」のシンポジスト、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一氏は、「同じ痛みが分かる広島、長崎から手を差し延べ、オールジャパンで、“21世紀の被爆者”の福島に向かう必要がある」と指摘した。 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一氏。 山下氏は、まず長崎大学では、文部科学省の「グローバルCOEプログラム」で「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」が採択され、2007年度から5カ年計画で、被曝医療学の確立を通じた放射線健康リスク評価・管理の科学的基盤の構築、人材育成などに取り組んでいる現状を紹介。チェルノブイリでは、中長期的疫学調査も手がけており、「これらの情報が福島に対して、一つの答えを提示できる根拠。広島、長崎では一度の被曝だったが、これに対し、内部被曝、あるい...