今年100歳の日野原氏、医療者に何を語ったか
レポート
2011年7月15日 (金)
橋本佳子(m3.com編集長)
「大学病院では臨床研修はできない。私の医師としての基礎は看護師が教えてくれた。この二つをぜひ言ってほしいと依頼された」 7月14日に開催された、財団法人聖路加国際病院理事長の日野原重明氏による、第61回日本病院学会の記念講演は、座長を務めた済生会福岡総合病院病院長の岡留健一郎氏のこんなユニークな演者紹介からスタート。テーマは、「病院医療の未来―70年の医師の経験から」。自らの研修医時代から始まり、聖路加国際病院の将来の取り組みに至るまで、話は多岐にわたった。 若き日の研究エピソードを多数紹介しながら、日野原氏は、臨床から研究テーマを見いだす重要性を強調した。 研修医、また若手医師時代のエピソードを通じて強調したのが、自らの感性を研ぎ澄まし、日常診療から疑問を見いだし、それを解決していく姿勢の重要性。「腸チフスで高熱の患者に種痘を接種しても、免疫が付かなかった。高熱になると免疫反応が落ちるのかと。(それを上司に)言ったら、『面白いから、それをリサーチしなさい』と指導され、臨床の傍ら、ウサギで動物実験に取り組み、発熱状態では免疫力が落ちることを立証して、論文を書いた。リサーチは、臨床の中か...
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