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医師逮捕、刑事事件化、防ぐのは「医師の自律」◆Vol.1

スペシャル企画 2011年7月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「更なる医療の信頼に向けて―無罪事件から学ぶ―」をテーマに日医総研シンポジウムが7月24日開催された。福島県立大野病院事件(2008年8月20日福島地裁、『無罪の根拠は「胎盤剥離の中止義務なし」』を参照)、杏林大学の“割りばし事件”(2008年11月20日東京高裁、『“割りばし事件”、高裁判決でも医師無罪』を参照)、東京女子医大事件(2009年3月27日東京高裁、『院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件』を参照)という、医療刑事裁判で業務上過失致死罪に問われ、無罪が確定した三つの事件の当事者や弁護人らが出席し、各事例の検証や医療刑事裁判のあり方などについて、それぞれの立場から意見を述べた。 シンポジウムは、午前10時半から午後5時半まで、1時間の休憩をはさんで、約7時間にわたった。 各者の発言を受けて行われたパネルディスカッションでは、医療事故が刑事事件化することを防ぐには、第一に医師の自律が不可欠であることが浮き彫りになった。医療事故が刑事事件化するきっかけとなるのは、院内事故調査委員会の報告書である場合が多く、警察の捜査から起訴、公判に至る過程で検察側を支えるのは医師の鑑定書...