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警察の捜査につながる仕組みは残っている◆Vol.3

スペシャル企画 2011年7月27日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「福島県立大野病院事件、杏林大学“割りばし”事件、東京女子医大事件という三つの医療刑事訴訟で無罪判決が出たが、警察捜査につながる仕組みは、厳然と残っている。医師法21条の濫用は、警察・検察が望んでいたものではない。医療事故を法的に対応するのは、過去を向いた制裁・賠償であり、本来は専門的第三者機関で調査すべき」 7月24日の日医総研シンポジウム、「更なる医療の信頼に向けて―無罪事件から学ぶ―」の基調講演を務めた、東京大学法学部教授の樋口範雄氏は、こう述べ、医療事故の原因分析などを行う第三者機関設置、いわゆる“医療事故調”の必要性を指摘した。“医療事故調”については、2008年に厚生労働省が第三次試案、大綱案を公表して以降、議論は進んでいない。第三次試案、大綱案に対しては、医療界でも反対意見が少なくなかったが(『1万人アンケート!「民主党案」支持派が多数』を参照)、樋口氏は、「大綱案のポイントは三つある。よく考えられている。私は今でも未練がましく思っている」とし、支持した。 東京大学法学部教授の樋口範雄氏は、厚生労働省の「厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する...