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院内事故報告書は告発書兼鑑定書、女子医大事件◆Vol.4

スペシャル企画 2011年7月28日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

「裁判になれば、すべてが分かるだろう、という期待があるかもしれないが、刑事裁判の目的は、事実を究明することではない」 7月24日の日医総研シンポジウム、「更なる医療の信頼に向けて―無罪事件から学ぶ」で、刑事裁判の限界を指摘したのは、東京女子医大事件の被告だった佐藤一樹医師の弁護人を担当した、喜田村洋一弁護士。薬害エイズ事件の被告、元帝京大学副学長の安部英氏の弁護も担当した、喜田村弁護士は、「なぜ医学の常識に反した、無謀な起訴がなされるのか」と問題提起し、「検察官は医学の素人」であり、女子医大事件の場合は、院内事故報告書が起訴のきっかけになった説明(『院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件』を参照)。 東京女子医大事件で、佐藤一樹医師の弁護人を担当した、喜田村洋一弁護士。 シンポジウムには、佐藤医師本人も出席、「院内事故調査報告書は、心臓外科の専門家が排除されて作成された。また当事者を無視して作成された」と問題視。自らの経験を踏まえ、(1)当事者の不同意拒否権の担保(事例の調査を終える前に、当事者から意見を聞く機会を設ける)、(2)不同意理由の記載権利の確保(事故調査委員会の意見と...