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医師逮捕、勾留の必要はなかった、大野病院事件◆Vol.6

スペシャル企画 2011年8月3日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「刑事責任を追及されるべきではなかった医師が、なぜ逮捕・勾留、起訴されたのか。その原因を究明し、再発を防止するのが今日のテーマ」 7月24日の日医総研シンポジウム「更なる医療の信頼に向けて―無罪事件から学ぶ―」でこう切り出したのは、福島県立大野病院事件の被告の主任弁護人を務めた、平岩敬一弁護士。平岩弁護士は、大野病院事件における五つの問題点を指摘。警察の捜査の端緒となった事故調査報告書などを問題視するともに、「捜査の全期間を通して、また公判段階においても、本当の意味での専門家の意見は検察側からは全く出てこなかった」と述べ、医療刑事裁判においては専門家、つまり医師の意見が重要であり、捜査から公判の行方を大きく左右すると強調した。 主任弁護人の平岩敬一弁護士は、「本当の意味での専門家の意見は、検察側からは全く出てこなかった」と指摘。 大野病院事件の特別弁護人を担当した澤倫太郎医師(日医総研研究部長、日本医科大学女性診療科講師)は、「特別弁護人の苦悩」として、医療という専門性の高い分野での行為を、弁護人や裁判官などに理解してもらうことの難しさなどを語った。その上で、大野病院事件について臨床的...