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福島医大復興ビジョン、「悲劇から奇跡へ」 - 福島医大学長・菊地臣一氏に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2011年8月18日 (木)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

――今後の課題についてお伺いします。 一つには、福島第一原発周辺の相双地区の医療体制の問題があります。相双地区では、9つの病院が完全機能停止、4病院は外来のみの診療になっています。県立大野病院と双葉厚生病院はこの4月から統合する予定でしたが、両方とも緊急避難区域にありますから、この話も止まったままです。では、警戒区域や計画的避難区域が解除され、住民が戻った時に、この地域の医療体制をどうするか。非常に頭が痛い問題です。 ――県立医大では、放射線による健康問題をはじめ、様々な課題に対応していく必要もあるかと思います。 私が県に対し、あるいは記者会見の場で言っているのは、「福島医大には、新たな歴史的使命ができた」ということです。我々は将来的な視点も踏まえ、「福島医大復興ビジョン」を作成しています。副題は、「悲劇から奇跡へ」です。既に政府の震災復興会議にも提言しています。 幾つかのビジョンを盛り込んでいますが、最優先事業は、(1)県民202万人の長期的健康管理調査、(2)最先端診断・治療拠点の整備による早期発見・早期治療、(3)創薬・医療福祉機器等の開発拠点の整備、(4)放射線専門医療人の育成...