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突然、病院に警察官、「逃げろ」と指示 - 双葉厚生病院院長・重富秀一氏に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2011年8月16日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先ほど、警察官が入ってきて、「逃げろ」と言ったと。 「職員の誰も、逃げましょうとは自ら言わなかった。だから、避難を説得するのが大変だった」と話す、重富秀一氏。 後から思い出しながら記録したので、多少時間が違っているかもしれませんが、3月12日の午前6時に対策会議を開いた後、6時30分くらいだと思います。いきなり、警察官が病院に入ってきたのです。 「玄関から誰かが入ってきた」となり、何だ、となった。放射線防護服を着ていたので、「何、仰々しいことやっているんだ」、「こんな派手な格好しなくてもいいじゃないか」とも思った。自衛隊の人も来たのですが、普通の制服姿でした。 警察官とは、1時間ほど、もめました。「放射性物質が飛散しても、収まるまで病院の中にいればいいでしょう。なぜ逃げなければならないのか」と。入院患者さんも多数いましたし。 ――当時の入院者さんは何人くらいですか。 県立大野病院との統合直前だったので、入院患者さんを減らしており、通常よりは少なかった。当院は260床ですが、136人でした。一般病棟(内科、外科、眼科)に70人、産婦人科病棟に10人、神経精神科病棟に56人です。それで...