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座長が苦言、医学部新設の賛成派、反対派の双方に◆Vol.8

レポート 2011年8月10日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」(座長:安西祐一郎・慶應義塾学事顧問)の第8回会議が、8月10日に開催された。同省が整理した「論点整理(素案)」を基に議論が行われたが、安西座長は会議の最後に、「かなり厳しく考えていかないと、世間の期待に応えられない。問題点は出てくるが、解決策が出てこない。総論ではなく、具体案を国民に提示していく必要がある」と苦言を呈した。 これは医学部新設の賛成派、反対派の両方の委員に対するもので、いずれの立場の意見も具体論に欠け、8回まで会議を重ねても、一向に議論が深まらないことへの、苛立ちとも受け取れる発言だ。 鈴木寛・文科副大臣(右)は冒頭で挨拶、会議の途中まで出席。隣は、座長の安西祐一郎・慶應義塾学事顧問。 安西座長は、医学部新設を支持する立場に対しては、「将来的には医師過剰になるとの懸念がある。新設してからその後、どうしていくのか、具体的な話がない。増えすぎた場合にどう対応するのか、その疑問に答える必要がある。ただ、医学部を増やすと主張するだけでは、将来に禍根を残すことになる」と指摘。 一方、医学部新設への慎重・反対派に対しても、...