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災害対策のカギは人心の把握 - 双葉厚生病院院長・重富秀一氏に聞く◆Vol.5

スペシャル企画 2011年8月30日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生は今、どんな仕事をされているのでしょうか。 双葉厚生病院は組織としてはまだ残っています。また、JA福島厚生連の医療体制整備室長でもあり、今後、浜通りの医療をどうするか、そのお手伝いをしていきたいと考えています。 「私自身は職員に助けられた、という思いが非常に強い」と語る、重富秀一氏。 ――警戒区域や緊急時避難準備区域などを除いた、浜通りの医療の現状は。 浜通りは、もともと医師不足などで大変な地域でした。 双葉郡には、北から、浪江町・双葉町・大熊町・富岡町・楢葉町・広野町の6町のほか、川内村と葛尾村の2村があります。原発周辺の双葉町、大熊町、富岡町、浪江町、この辺りはどうなるか分かりません。放射性物質による土壌汚染はひどい。地域の方々には気の毒ですが、原発から5km、10km圏内の方はこの先、いつ戻れるのか、全く見えません。 その周囲の地域でも、道路が非常に問題。広野町や川内村など住民が戻れそうな地域もありますが、双葉町や大熊町の道路が通れないために、交通の便が極めて悪くなっています。「双葉郡」の8村町が、もはやまとまれなくなっています。 また、双葉郡の北は、南相馬市。双葉郡の方...