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「屋内退避指示」、入院患者全員を搬送 - 南相馬市立総合病院院長・金澤幸夫氏に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2011年9月14日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――患者さんは、震災当日はどのくらい受診したのでしょうか。 沿岸部の津波の被害はひどく、津波に巻き込まれた近くの老人保健施設の入所者や職員をはじめ、多数の患者さんが救急搬送されてきました。多くの方が泥にまみれ、真っ黒の状態でした。外来の待合室の椅子を片付け、マットレスを引いて患者さんの収容、治療を行いました。 3月11日だけを見ると、CPA(心肺停止)の状態で搬送された方が7人。頭部打撲の女性が1人、津波による患者が6人という内訳です。うち入院後に死亡された方が3人、津波によるARDS(急性呼吸窮迫症候群)です。結局、この日は33人が入院、21人が退院し、12日の朝の時点での入院患者は207人でした。外来については、いったい何人来たのか、混乱した状況だったので把握できていません。簡単な処置をして、帰られた患者さんが多数います。 3月12日時点の救急外来の入り口付近の空間放射線量は12μSv/時。3月末には1.0μSv/時、今は0.5μSv/時程度に下がったものの、9月3日の時点では正面玄関を閉めたままだった。 ――ここから海岸までの距離は。 当院は海岸から約3kmです。津波はここから約...