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救急受入と「入院制限」という矛盾に直面 - 南相馬市立総合病院院長・金澤幸夫氏に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2011年9月27日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――入院患者の受け入れ制限解除を求め、かなり働きかけを行った。 4月以降、徐々に救急車で搬送される患者さんが増えたものの、入院患者は置けず、相馬市、福島市などに域外搬送していました。 相双地区の医療機関で脳神経外科があったのは、当院のみ。県に要望し、5月16日から、脳神経外科だけ、5床72時間という限定で入院患者の受け入れが認められました。救急車による搬送件数は、4月は18件、入院が必要なケース7件は域外に搬送。5月は44件、うち域外搬送は10件、当院への入院は4件という状況です。 しかし、72時間を過ぎると、患者さんを30km圏外に搬送しなければならず、患者さんの不利益は大きい。 そこで、その後も県と交渉を重ね、6月20日付で約70人の受け入れが、「短期入院」という形で可能になっています。私たちは120人程度を希望したのですが、その時の職員数で対応可能と判断された数が70人でした。この「短期」の定義は、医師に任されています。 金澤幸夫氏は、「人口動向も踏まえながら、地域の医療をどう再構築するかが、今後の大きな課題。当院の当面の課題は救急医療の強化」と話す。 ――医師は何人いたのでしょ...