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被曝量、同一地域でも個人差大、福島・保健師調査

スペシャル企画 2011年9月13日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立がん研究センターは9月13日、記者会見を開き、福島県の第一原子力発電所周辺で活動する保健師の被曝量調査の結果を公表した。 調査対象は、いわき市、川俣町、田村市、南相馬市、相双地区で活動する保健師147人で、ガラス線量計を配布して被曝量を測定。その結果、2011年5月1カ月間で、被曝量が比較的多かったのは、相双地区(最も高い保健師は0.7mSv)や川俣町(同0.3mSv)などで、地域の空間線量率とガラス線量計による測定値にはある程度の相関性が見られた。しかし、同じ相双地区でも、検出限界以下の0.1mSv未満の保健師もいるなど、行動パターンにより大きな開きがあることが明らかになった。 さらに今回の調査では、保健師に調査票を配布し、活動記録をつけてもらったが、記入率は61%にとどまり、福島県で進められている県民健康管理調査の困難さも示唆された。県民健康管理調査では、各自が3月11日の東日本大震災以降の行動を振り返り記載することで、被曝線量を推計する方式になっている。 東京医療保健大学医療保健学部看護学科准教授の渡會睦子氏は、約40万円の自費で200個のガラス線量計を購入、調査を実施した。...