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「東北メディカル・メガバンク構想」とは - 東北大学医学部長・山本雅之氏に聞く◆Vol.2

レポート 2011年9月22日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「東北メディカル・メガバンク構想」は、いつ頃から考え始めたのでしょうか。 私どもの大学は、コホート研究が非常に盛んで、以前から幾つかの地域で取り組んでいました。ただ、メガバンク構想を考えるようになったのは、今回の震災がきっかけです。 先ほどもお話しましたが、東北地方の医療を復興しなければいけない。ただし、病院再建に向けて建物を作っても、そもそも医師が少なく、かつ離職が相次いでいる状況で、病院を機能させる医師、医療人を確保できるのか。ここが我々の問題意識です。 医師採用ために給与を非常に高くするという方法もあります。しかし、これがうまくいかないことは、他の例で既に証明されています。そこで地域医療の復興と最先端研究を一緒にできるような復興の核として打ち出したのが、「東北メディカル・メガバンク構想」です。東北地方にしかできない世界最先端の試みをやりたい。新しいタイプの複合バイオバンクを構築して全世界に情報を発信したい。それにより、地域に若手の医師が出ていく仕組みが考えられないかということです。 山本雅之氏は、「東北メディカル・メガバンク構想は、東北地方にしかできない世界最先端の試みであり...