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心のケア重要、「問題あり」1割超、岩手・被災住民

スペシャル企画 2011年9月20日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

9月17日に開催された、第28回日本医学会総会特別企画のシンポジウム「震災後の地域社会と医療」で、岩手医科大学衛生学公衆衛生学教授の坂田清美氏が、岩手県の被災住民を対象に行った健診結果の一部を報告、メンタルヘルスへの対応が今後の課題であると指摘した。 坂田氏の研究は、厚生労働科学特別研究「東日本大震災被災者の健康状態に関する研究」の一環。岩手県山田町では9月5日から健診をスタート、初日の164人について、心のケアのスクリーニング指標の一つである「K6」による評価結果を、2004年度の厚生科学研究で岡山県の一般住民176人を対象にした結果と比較した。 坂田氏は、「山田町の住民では明らかに重症にシフトしており、平均点で約2点高かった。山田町住民では、『5点未満』は、半数にとどまる一方、13点以上の『問題あり』は1割を超え、メンタルヘルスの問題が深刻であることを示唆する結果だった」と説明。当面の課題として、将来への不安に伴ううつ病発症や自殺防止などのために、「K6高危険群」への早期介入と相談窓口の設置が必要だとした。 岩手医科大学公衆衛生学教授の坂田清美氏は、「東日本大震災被災者の健康状態に...