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個別指導に疑義、委縮診療も招きかねず - 新潟県医師会副会長・吉沢浩志氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2011年11月9日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

先日の日本医師会の第125回臨時代議員会で、個別指導を苦に、開業医が自殺したと思われる事例を紹介したのが、新潟県医師会副会長の吉沢浩志氏(『46歳開業医が自殺、個別指導が原因か』を参照)。指導・監査をめぐっては、対象の選定方法から指導の仕方、監査後の処分のあり方まで、様々な問題が指摘されてきたが、依然、解決されていないことを物語るエピソードだった。吉沢氏に、新潟県における指導・監査の最近の動向、問題のほか、改めて今回の自殺事例についてお聞きした(2011年11月4日にインタビュー。計2回の連載)。 ――指導・監査の実施主体が、地方社会保険事務局から地方厚生局に変わり、何らかの変化はあったのでしょうか。 指導・監査の実施方法が大きく変わったわけではありませんが、最近の特徴として、日本医師会の代議員会でも問題提起しましたが、「情報提供による指導」が明らかに増えており、この点が問題だと思います。新潟県では、2010年度は、診療所51件、病院9件、計60件に個別指導が行われ、うち「情報提供による指導」は、診療所9件、病院2件で計11件。2011年度はこれまでに診療所19件、病院3件、計22件で...