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南相馬市、『攻めの医師募集』プロジェクトの提案(1)

オピニオン 2012年1月16日 (月)  小松秀樹(亀田総合病院副院長)

原発事故による医療従事者の離職 福島県南相馬市が含まれる相双医療圏は、従来、医師の少ない地域でした。ウェルネス二次医療圏データベース(厚労省の2010年の「病院報告」のデータに基づく)によると、2010年の10万人当たりの勤務医数は、全国149人、福島県125人に対し、相双医療圏は87人でした。 南相馬市の2011年3月11日の人口は7万1559人でしたが、福島第一原発事故の後、居住者が1万人程度まで減少しました。南相馬市の南部、小高区の大半は原発20km圏内の警戒区域に指定され、住民は全員避難しました。この地域の病院・診療所はすべて閉鎖されました。原町区の大半は20-30km圏の屋内退避区域(後の緊急時避難準備区域)に指定されました。その後、西側の山間部は、計画的避難区域に指定され、全住民が避難しました。緊急時避難準備区域では、入院診療が認められなくなり、ほとんどの医療機関で外来診療もストップしました。原発が落ち着くにつれて緊急時避難準備区域に住民が戻りましたが、4万人程度で横ばいになりました。緊急時避難準備区域の指定が解除された後も、2011 年12月段階で、3000人ほどの増加に...