1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 大学病院、「経営改善見られるも貧血状態」

大学病院、「経営改善見られるも貧血状態」

レポート 2012年1月20日 (金)  京正裕之(m3.com編集部)

全国医学部長病院長会議は1月19日の定例記者会見で、2010年10月に実施した大学病院経営実態調査の結果について、2011年5月に公表した結果の一部に追加する形で説明した。2010年度の診療報酬改定の影響で、状況は改善しているという所感を持つ大学病院が全体の8割を超える一方、労働基準監督署からの指導を受ける病院も8割を超え、医師不足などの人材確保と医師の処遇改善はまだ不十分だという認識を示した。 調査は、全国の国公立・私立の80大学病院と分院の49病院の計129病院を対象に実施。調査結果を報告した北里大学産科学教授の海野信也氏は、「大学病院という巨大で複雑な組織を多面的にとらえるために調査した」と述べた(『大学病院の8割以上が2010年度改定で「経営改善」』を参照)。 大学病院経営実態調査の結果について説明する北里大学産科学教授の海野信也氏(左)。 この調査では、回答のあった112病院(本院80、分院32)のうち、「良くなった」、「少し良くなっている」と答えたのは、83病院で8割超となった。理由は、「診療報酬改定による収入増」が最も多く、次いで「内部努力」だった。一方、「悪くなった」と...