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交通事故、「自賠責保険の優先を明記すべき」

レポート 2012年2月8日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医師会は2月8日の定例記者会見で、労災・自賠責委員会(委員長:嘉数研二・宮城県医師会副会長)の答申を公表した(資料は、日医のホームページに掲載)。 同委員会は、労災保険と自賠責保険の問題と対応、特に重点的に自賠責保険において健康保険を使用する問題点を集中的に議論。答申では、「第三者行為を原因とする交通事故については、原則、自賠責保険を優先して適用することを明文化した新たな通達を発出し、周知徹底を図る」ことを提言した。 交通事故については、労災保険と健康保険のどちらを優先して適用するかについて、法律上の明確な規定はない。こうした現状に対し、答申では、自賠責を優先すべき理由として、(1)自賠法は交通事故の被害者保護・救済を目的に制定されている、(2)自賠責保険は強制保険である、などを挙げている。 本来、自賠責で支払うべき医療を、健康保険で賄うことにより、生じる問題には健康保険財政の悪化がある。健康保険法では、第三者行為によるものに対して、保険給付を行った場合、医療保険者は自賠責保険の保険者に求償することになっている。しかし、医療機関が保険者に申し出なかったり、患者が健康保険の使用を希望...