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非常に堅実、かつ実態に合わせた改定 - 中医協委員・安達秀樹氏に聞く◆Vol.4

インタビュー 2012年3月6日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――前回改定、そして今回改定の答申時の附帯意見では、基本診療料の検討が上がっています。 鈴木課長(厚労省保険局医療課長の鈴木康裕氏)は、前からどこかで基本診療料の議論をやりたいと言っていたようですが、これまでは入り口で1号側に「ノー」と言われてきた。だから、 1号側が今回、「基本診療料の議論に応じる」と言ったのは非常に大きい。 ――1号側がイエスと言わない一番の理由は。 再診料はこれまで、改定の最後のつじつま合わせとして、医療機関の経営がつぶれない程度に調整するための安全弁として使われてきた。 僕は手前味噌で言えば、今回の再診料の議論の進め方はかなり戦略的でもあった。ある程度、冷静な議論をさせてもらった。先にも触れましたが、勤務医の負担軽減のベースに診療所がある。日本の診療所の機能は諸外国とは違う。そのこと自体を認めるかどうかを1号側に問いかけ、「それは認める」と言わせた。だけど、「優先順位が……」と言わせたことが一つ。 もう一つは、後発医薬品の使用促進のための、一般名処方の加算の2点とは切り離した点。 2008年度改定前までは、処方薬の中に、後発医薬品が一つでもあったら2点を加算でき...