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被災地の医療はいまだ本格復興に至らず - 東北大学医学部長・山本雅之氏に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2012年3月8日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生の目からご覧になって、宮城県の地域医療はどの程度、復旧・復興したとお考えでしょうか。 本当にまだ計画段階です。宮城県内では、六つの公立病院が津波で全壊し、そのほか多数の診療所が甚大な被害を受けました。いまだに本格的に復興した病院はありません。 ――仮設の診療所あるいは病棟で診療されている。 例えば、石巻市立病院は全壊しました。再建は決まりましたが、今は仮設診療所で、院長をはじめ皆さんががんばっておられる。かなり支援をしなければならず、支援を継続しています。 ――震災直後は毎日、大学からバスで被災地に医師をはじめ医療者が支援に行かれていました。 当初、つまり3月11日から5月10日までの2カ月間の被災地への東北大学の医師派遣数は延べ1568人に上ります。7月には2000人に達したのでは。大学を挙げて取り組んでおり、その後も継続して医師派遣を行っています。 震災直後の第一次支援は、DMAT、JMATなどの形で全国から様々な方が来られました。本当にありがたく、そのおかげで地域医療を何とか継続できました。しかし、ボランティアとして、善意で来ていただいているものなので、いつかは終わる。私...