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「今、一番深刻なのは看護師不足」、南相馬市

レポート 2012年3月5日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

NPO法人健康医療開発機構が3月4日に東京都内で開催したシンポジウム「震災後1年―健康と医療の再生に向けて―」で、南相馬市立総合病院副院長の及川友好氏、南相馬市長の桜井勝延氏が、それぞれ南相馬市の医療の現状を報告した。 桜井氏が示したデータによると、南相馬市にある8病院の震災前の1日の患者数は全体で、入院1067人、外来1350人だったが、2012年2月1日時点では入院263人で約4分の1、外来851人で6割強にとどまっている。南相馬市の8病院のうち、2病院が福島第一原発から半径20km圏内の「警戒区域」、南相馬市立総合病院を含む5病院が、半径20~30km圏内「緊急時避難準備区域」、1病院が半径30km圏外にある。人口は2011年3月11日時点で7万1561人、一時は1万人台にまで減少したが、2011年に「緊急時避難準備区域」が9月30日に解除された時点で約4万1000人まで戻っていた。ただ、その後の回復は緩やかで2012年2月1日時点では4万3484人。 南相馬市立総合病院副院長の及川友好氏は、「震災が風化することを一番恐れている」と語る。 及川氏は、「徐々に医師は増えているが、問...