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地域医療、それが大学運営のキーワード - 菊地臣一・福島県立医科大学学長に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2012年3月23日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――この1年間、様々な震災対応をしてこられたわけですが、この4月から新たなスタートであり、復興が本格化するという印象を受けました。 先ほどお話した災害医療の寄付講座も4月1日のスタートですし、いろいろなことが一斉に動き出します。周囲は驚くかもしれませんが、「福島医大復興ビジョン」を作成したのは昨年7月であり、我々にしてみれば、準備してきたことです。公立なので議会の同意人事が必要なこともあり、この点は時間がかかりましたが。 さらに大学の役員も4月から変わりますが、キーワードは、「地域医療」です。大学のミッションとして「地域医療」を掲げるのは珍しいことかもしれませんが、“医療崩壊”がある日、突然起きたことは、歴史上ないでしょう。人口構成が変わった中で、放射能汚染がある地域で「共生」することは、未踏の荒野に踏み出すのと同じ。震災後、県外に流出する医師は100人を超えるでしょう。原発地域だけではなく、中通り、会津地方も含めて、医療の再構築が必要。 2013年5月には会津医療センターができます。本学の立て直し、そして「福島医大復興ビジョン」の実施。大学が抱えるこれら三つの事業に共通するのは地域医...