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「復興五段階」の三段階まで進展 - 小川彰・岩手医科大学学長に聞く◆Vol.1

スペシャル企画 2012年3月11日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

震災後、いち早く「いわて災害医療支援ネットワークセンター」を立ち上げ、岩手県沿岸部の被災地の医療支援に当たってきたのが、岩手医科大学。理事長・学長を務める小川彰氏は、当初から、地域および地域医療の復興の道のりを第五段階に分けて考えていたが、現時点ではどこまで進展したのか――。小川氏に岩手県の被災地医療の復旧・復興の現状と今後の課題、さらには今回の災害を機にスタートした「いわて過疎地被災地新医療モデル」の概要や大学としての取り組みを聞いた(2012年2月29日にインタビュー。計3回の連載)。 ――岩手県、特に被害が甚大だった沿岸部は、以前から医療過疎地域でしたが、状況はいかがでしょうか。 震災からあっという間に1年が経ってしまったという印象です。久慈市、宮古市、釜石市、大船渡市も被害を受けましたが、これらの地域の総合病院、つまり“ハブ”となっている病院は高台にあったこともあり助かった。 壊滅的な被害を受けたのが、北から、山田町、大槌町、陸前高田市。これらの地域にある規模の小さい三つの県立病院は、全壊してしまった。三つの病院はその後、プレハブで仮設診療所を建てて、診療を再開しています。被災...