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「いわて過疎地被災地新医療モデル」実現目指す- 小川彰・岩手医科大学学長に聞く◆Vol.2

2012年3月15日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

第四段階として、大学がやらなければいけないことは、「いわて過疎地被災地新医療モデル」の構築です。その柱は、(1)基幹病院の整備と、「病診」、「病福」連携の推進、(2)遠隔医療システムの整備、(3)「災害医療地域支援教育センター」の設置、(4)エネルギー自己完結型の災害拠点病院の構築――です 急性期医療については、沿岸部の久慈市、宮古市、釜石市、大船渡市の四カ所の“ハブ”の県立病院が機能していることもあり、何とかなっている。医師は震災前から不足していますが、県外には流出していません。その意味では、福島県などとは少し状況が違います。大学も苦しいながら、医師派遣をしています。また県全体で見れば、「肋骨対応」と言っているのですが、岩手県は日本で2番目に大きい都道府県なので、「北の内陸部は北の沿岸部、南の内陸部は南の沿岸部」といった形で医師を派遣しています。 「災害医療は、究極の総合医療。臨床研修の地域医療研修の一環として実施するため、日本病院会の中部地区の病院と連携している」(小川彰氏)。 ――岩手は、県立病院が基幹病院として各地域にあり、大学とのネットワークが構築されていたため、迅速な対応が...