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救護活動の基本は「ルールがない」「何でもやる」- 石井正・石巻日赤医療社会事業部長◆Vol.2

スペシャル企画 2012年3月17日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――この2月に上梓された『石巻災害医療の全記録』(講談社ブルーバックス)も、具体的なノウハウより、救護活動の考え方、行動規範に力を置いて書かれていた。 その通りです。どんな行動原則でやっていたか、僕自身の経験を知っていただきたいと思って書きました。また、ドクターも、医療者も、企業も、行政も皆、被災地に来る。「日本は大丈夫だ」ということも言いたかった。国がピンチの時には、最終的には損得抜きで皆が集まる。皆が、同じ方向にベクトルが向かうようになれば、自然に問題は解決する。 石井正氏は、災害医療活動について、「コンセプトを示し、皆が、同じ方向にベクトルが向かうようになれば、自然に問題は解決する」と語る。 ――皆が同じベクトルに向かうようにするためには。 ぶれずに、コンセプトをきちんと示すことが重要。体はゆらゆら揺れても、腰は据わっている感じ。支援に来た方が不快にならないようにすることも大切。頭ごなしに、「あれしろ、これしろ」と言われるのが、人間は一番嫌で、不愉快になるでしょう。しかし、皆が「そりゃ、そうだろう」とコンセプトを理解すれば、自然に同じ方向に動くようになる。あまり細かいことを指示し...