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再び光輝くがん研究センターに - 堀田知光・ 国立がん研究センター新理事長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2012年4月15日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――今、お伺いしたことは、どのように実行していくお考えですか(インタビューは、2012年3月26日に実施)。 国立がん研究センターが果たすべき役割、実施すべき診療は何なのかを、都内の大学、総合病院などとの連携の中で考えていきたい。先ほども言いましたが、国立がん研究センターで自己完結する医療では、もはや追いつかないからです。 ――ドラッグ・ラグの問題にしても、例えば民主党政権は、「医療イノベーション会議」を設置しましたが、なかなか解決しません。 トランスレーショナル・リサーチをやっても、なかなか成果が出てこないのと同じ構造があります。臨床段階に移行する時に、途端に規制が厳しくなる。GCPレベルでやる。モノ(薬)に関しては、GMP、GLP基準でやりなさい、となる。そのためには、莫大なお金とシステムが必要。製薬企業はその基準でやっているので、一つの薬を開発するのに何百億円もかけている。これに対して、トランスレーショナル・リサーチにかけるのは数億円レベルで、「あとは手弁当でやりなさい」と。それではなかなかうまくいかない。 こうした問題を解決するには、最初から、アカデミアと企業、行政が合体した形...